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『Ojisan+』はなぜ生まれたのか? 

スタッフ 今日は稽古場に、『Ojisan+』発起人の有働佳史さんに来てもらいました。

有働   お願いします。

スタッフ 『Ojisan+』という企画をどうして作られ、やろうと思われたのですか?

有働   なんか今なかなか上の人たちが辞めていかないじゃないですか。

スタッフ ははははは。

有働   サラリーマンだったら定年退職みたいのがあって60歳で退職されるんですけど、僕らの業界だと現役バリバリでやってらっしゃるクリエイターの方々がいっぱいいて、なかなか上の方々が辞めていかない。その中で僕らも割と30歳超えたりしてるんだけど、上が辞めない=僕らもどんどん歳をとるから30歳超えてもまだ若手、みたいなこと言われてるわけです。僕ら世代の人間っていうか、経験値はそれなりにあるけども若手でおじさん、みたいなクリエイターがすごい増えてる気がして、なかなかチャンスが巡ってこない。そういう人たちがもう少し表に出るような企画を考えたかったんです。だから【次世代おじさんクリエイター】ってパンフレットに書いたんです。【次世代】と【おじさん】って真逆の言葉ですけど、人生100年時代に、なんかそういうフェーズに入ってきたかなと。

スタッフ 今回のテーマについては?

有働   今回のテーマですが、おじさんの反対側ってなんだろうと考えたら、多分女の子なんです。だから、女優さんと若手おじさんクリエイターでコラボします。今後も、若手次世代型おじさんクリエイターみたいな人たちに声をかけながら、何かプラスコラボしながら、演劇なのか映像なのかをやっていけたら、というプロジェクトです。

スタッフ いい試みですよね。西条みつとしさんも、岩崎う大さんも皆さん30歳超えていらっしゃいますもんね。

有働   そうそうそう。

スタッフ 30代後半中盤くらいですかね?

有働   僕が多分一番下なのかな?でも僕ももう今年35歳なので。西条さんは41歳。

スタッフ 僕は37歳なので、やっぱり30代中盤以降ですよね。

有働   でもそれで若手って辛いですよね。

スタッフ はははははは。では、『Ojisan+』はこれ1回で終わりじゃなくて、これからもいろんな人とコラボしながらやっていかれるって事ですね。

有働   そうですね。なんかそういうのが出来るのが良いなって思ってます。でも、まず1回やってみないとね、こういうのは。ひょっとしたらもう終わるかもしんない。

スタッフ ははははは。

​ 出演者について。

スタッフ 「おじさん達と若い女優さん方」と仰ってましたけど、どうですか? 今回の出演者に関しては。

有働   これ、結構年齢に幅もあるんです。一番年下が誰なんですかね?

スタッフ 百音さんですね。

有働   何歳?

スタッフ 19歳です。

有働   で、一番上が?

スタッフ 青木ラブさんと森桃子さん。

有働   おいくつ?

スタッフ 36歳。

有働   と言うことは、えーと、17歳差か。だから結構年齢幅があるんだけど、幅はあるけど「新人」だと思ってやってもらえると良いかなって。経験もあるし今までやってきた芝居の自信もあると思うけど、そこはあえて忘れてもらって、16歳みたいな気持ちでみんなにやってもらえたら今回の企画をやる意味があるのかなと思ってます。

スタッフ そうですよね。今回、全員オーディションですよね。

有働   そうです。オーディションやらせてもらったので、良くも悪くも意味がある物になれば良いかなと。

スタッフ なんかこのメンバーが一緒にやるって事は無さそうですよね。そういうメンバーでしたよね。

有働   二度と会わないと思いますよ。

スタッフ ははははは。ジャンルが全員違いますもんね。

有働   今後、全員は一緒にならないだろうけど、撮影現場で会えたら嬉しいし、意味を見つけてやってもらえると嬉しいなって。

スタッフ なんか彼女たちに対しても、この舞台で次の仕事に繋がって欲しいですね。

有働   それがないと意味が無いですからね。入場料金も3500円とかにしたのも、舞台を観たことない人に気軽に来てもらいたいってのがありまして。門戸を少しでも広げるために場所も中目黒と「来やすい場所で、3500円でやる」っていうことに意味があるのかなと。僕なんか舞台の人間じゃないけど、周りに聞くと「面白いか面白くないか分からない舞台観るよりも、1800円で観れる映画に行っちゃう」って人が多いんです。

 

 今回の企画のもう一つの狙い。

有働   彼女たちを業界の人達にも知ってもらいたいと言う狙いもあります。だから招待席なんかも結構多めにとってあります。「ショーケース」って書いてますけど、まさしくそうなれば良いかなって。僕らがこんな心配しなくても売れていく方々だとは思いますけど。

スタッフ けどそれは良いですよね。出演者みんなに未来が感じられる。

有働   色んな人に観て頂けるように料金下げて来やすい場所で考えて。大きなお世話かもしれないですけどね(笑) 

 脚本家メンバーについて。

​『面白南極料理人』のメンバーたちがなぜ!? 

スタッフ この企画は有働さんが発起人で、且つ『父が死にますなう』っていう脚本を書いて頂いたわけじゃないですか。それに関してはいかがですか?

有働   最初に「コメディの舞台をやりたい」って僕が言ったんです。それで、コメディに定評があり、今飛ぶ鳥を落とす勢いの西条さんとドラマでご一緒した機会があったんでお声がけさせてもらいました。そして、う大さんにはドラマにも出演していただいたんですが、僕ずっとかもめんたるの大ファンなんですよ。コントとかすごい何回も何回も見てて。で、改めて「コメディの脚本をお願いしますね」ってお伝えしたら、西条さんから貰ったらやつが意外とミステリアスだった。

スタッフ そうでしたね。

有働   とはいえ僕はこれもコメディだと思ってます。西条さんの中では分からないですけど、コメディは人それぞれの狙いがあるし、う大さんの脚本も、う大ワールドじゃないですか。僕もコメディを書こうと思って書いたんだけど、意外と周りに聞くとあんまコメディじゃないって。

スタッフ ははははは。

有働   わかりやすいコメディ舞台をしたかったけど、なんかこの、笑いと悲しみは表裏一体って感じがコメディに、滑稽に見えれば良いかなと思っています。僕は普段、ドラマやCMの仕事をするんですけど、もうコンプライアンスが凄いことになってて。でもそのフィールドで面白いものを作るのがクリエイターの仕事なんだけど、誰が気にするんだよって事を映像業界は気にする。それに対して舞台は自由な気がしているんです。コメディにはいろんな表現の仕方があるんだろうし、特に僕の『父が死にますなう』なんかめちゃくちゃ不謹慎な話で、テレビとかでやったら凄い怒られるだろうなって思ったりもしてるんだけど、舞台はその複雑なものを一番クリエイティブに表現できる場所だと思ってるんです。こういうコメディがあっても良いんじゃないかなと。これ逃げてる部分もあるけど。

スタッフ ははははは。

有働   コメディにすることも出来るし、リアルな話にも出来るかなと僕は思います。みんな自信もってやって欲しいな。

 脚本と演出が別であることについて。

スタッフ 作品に対して、有働さんなりのメッセージはありますか?

有働   僕、結構書くの早いけど、今回は割と時間がかかっちゃって。意外と僕の思想とかが入っちゃってて、読み返してみると結構重いなって。

スタッフ ははははは。重いか。

有働   想いが重いなんて。

スタッフ 想いが溢れてますよね。有働さんの思想が溢れかえってますよね。

有働   ひょっとしたらこの作品は、僕が世間から求められてるものとは違うのかなと思うんだけど、性根はこういうことを考えているんです。だから、素敵な出演者の皆さんがそれをどう解釈して、演出の倉本朋幸さんがそれをどう演出してくれるのか。そもそも僕は演出を誰かにお願いするというのは初めてなので、それも凄く楽しみなんです。多分西条さんもう大さんもそうだと思うけど、割と皆さん初めてで。

スタッフ 舞台に関してはですよね。

 有働さんの脚本『父が死にますなう』について。

有働   映像では人から貰った脚本を監督するって事をよくするんですが、今回は自分が書いたものを他の方に演出してもらうという。稽古もそんなにしょっちゅう来るわけではなく、倉本さんに託して、多少自分が思っていた物と違ってもそれはそれで楽しもうかなと思ってます。今日、倉本さんの演出見てて凄い勉強になるなって思って、ああやってやるんだって。

スタッフ なんで、そんな(笑)

有働   ああやってやれば良いんだと、僕も凄い勉強させて貰ってます。僕の脚本より倉本さんの演出を見ている方が面白かった。

スタッフ それダメじゃないですか。ははははは。やっぱり脚本書くときは、映像的に考えるんですか?

有働   今回は舞台だと思って書いたつもりだったんだけど、やっぱカット割りみたいなのを考えちゃいますね。

スタッフ やっぱりなってますよね。僕思ったんですよね。

 最後に、来て下さる方にメッセージ。

スタッフ 最後に、これから来て下さるお客さんにメッセージみたいなのはありますか?

有働   そんな、僕がメッセージ残したところで誰が聞くんですか?

スタッフ ははははは。一応最後の締め的な。

有働   やっぱり舞台って2時間くらいあると途中で出て行けない。けど、今回は3つ作品がある。皆さ全部面白いものを頑張って作るんだけど、やっぱり生理的に無理だったりとか、ちょっとこの笑い分かんないとかがあったとしても、30分弱で終わります。そして、1つは絶対にはまると思うので、そういった意味でも他の舞台とちょっと違うというか、気軽に来ていただけると凄く良いかなと思います。「舞台って長いし、高いでしょ」って言われるけど全然、今回3500円だし。

スタッフ そうですよね。短編3本ですし。

有働   であと、中目黒だから、その後ご飯に行きやすい。そういう誘い方ができますよね。まあそれくらい気軽に来て、僕の重い話を最後に聞いて貰って。

スタッフ ははははは。想いが重い話。

有働   想いが重い話を。でも間違いなく、僕以外の2作は面白いんで。

スタッフ ははははは。有働さんのも面白いと思いますよ僕は。それでは、今日はありがとうございました。

有働   ありがとうございました。

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